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~愛ではなく、恋~【ハイキュー‼】

第4章 ~いつか叶う、恋~(西谷 夕)




カオリが恋をしたのは、
同じ町の私立中学校の3年生。

中総体の時、
カオリ達は最終日まで残れず、
かわりに男子が残ってたので、
女子チームみんなで
男子の応援に行った会場で出会った…
というか、見つけたらしい。

『なんかね、
隣のコートなのに、その人だけ、
すっごくハッキリクッキリ見えてさぁ!
いや、有り得ないんだけど、
スポットライトでも当たってるみたいに
そこだけ明るく見えるし。
そんで、聞こえたんだもん、アレ。』

『アレ?』

『そう。キラキラキラ~、キュンッ❤️
…って。心のなかでハッキリ聞こえた。』

『それ、もしかして、恋の効果音?』

『そうそう!
あれ、ホントに聞こえるんだね。
もう、その瞬間に、自分でわかった。
恋しちゃったんだな、あたし❤️…って。
ほら、見る?写メ。』

…そう言って
カオリが見せてくれたスマホの画面には、
ズームしすぎてぼんやりしてるうえに
動きの途中だからか、ブレてるし、
さらに、3人、重なってるから
顔なんかちっともわからないけど、
確かに、
バスケをしてる男子が写ってた。

そんなよくわからない写メなのに
その画面を見つめるカオリの笑顔は
本当にキラキラしていて嬉しそうで…

ちなみに、私の感想なんか
どうでもよさそうだったから(笑)
私は特に彼について
意見を述べることもなく。
(述べる材料もないケド。)

『でも…
3年生なら、もう部活、終わりだよね?
なかなか会えなくなるの、残念だね。』

『やだー、綾!
部活終わるから、ラッキーじゃん!
中高一貫だから受験もないだろうし、
放課後、時間あるんじゃないかなっ。』

『…え?ってことは?』

『初恋成就、初彼ゲット、狙うっ!』

…確かに、
私ならともかく、
カオリのキャラなら、
"物陰からそっと見守る"みたいな
遠慮がちな行動は、似合わないけど。

『うまくいくことだけを想像して、
少ないチャンスをモノにする!
ポイントゲッターの本領発揮!
クリスマスまでに彼女に昇格!
そして私も、あの学校へ進学!』

スポーツ女子らしく、
具体的な目標を
凛々しくハッキリと宣言し、

二学期のカオリは、
初恋を実らせることに
夢中になっていった。

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