第4章 ~いつか叶う、恋~(西谷 夕)
次の春。
私が思い描いてた
"ずっと一緒"な毎日は、
学校生活では避けられない
とてつもなくありがちな理由で
あっけなく、終わりを迎えた。
クラス替え。
私とカオリは同じクラスになれたけど、
西谷君は、別のクラスになったのだ。
…別といっても、隣のクラス。
でも、その、
たった壁一枚、
クラスの数字ひとつの差で、
"一緒"にいる時間は
ほとんどなくなった。
(時々、
忘れ物して教科書借りに来たり、
テスト前にノート借りに来たりは
相変わらず、してるけど。)
それは、
もう、私が西谷君の心配を
する必要もなくなった、ということ。
離れてみると、
ちょっとがっかり、な気持ちと
これでもう"あの二人、つきあってる?"
的な質問はされないな、という安心感の
両方があって、
それはそれでいいか、と
思ってたんだけど。
だけどやっぱり、
思春期で成長期の私達。
"何も変わらない"なんてことは、
有り得なくて。
中2の夏。
カオリが、恋をした。
西谷君に、じゃない。
他の学校の、3年生に。