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~愛ではなく、恋~【ハイキュー‼】

第4章 ~いつか叶う、恋~(西谷 夕)




『じゃあさ、これから先、誰かに
"二人はつきあってないの?"って
聞かれたら、付き合ってない、って
言っていいんだよね?』

『もちろんっ!…てか、そんなこと、
気にする人、いる?』

…自分の魅力、知らないんだなぁ(笑)

『気付いてないの?
2学期に入ってから、
カオリも西谷君も、モテてるよ?』

『マジ?!ちょっとー、
あたしのこと好きな男子って誰、誰?』

『それは私の口からは言えないけど。』

『えーっ?!誰だか知んないけど
遠回しに綾に探り入れてないで
あたしに直接、コクってよー(怒)』

『ひどいフラれ方しそうで 怖いんじゃない?』

『怖がるくらいなら好きになるな!』

なんだかおかしくて、
二人でゲラゲラ笑った。

カオリの気持ちは、わかった。
でも、西谷君は、どうなんだろ。
…カオリのこと、好きじゃないのかな?

カオリの話だけじゃ
なんとなくそこが納得出来なくて、
でももちろん
西谷君に直接聞くこともできなくて。

だから、それからもなんとなく
二人のことを意識して見てたけど、

確かにいつも
ケンカしたり競ったり、
平気で二人一緒に学校に来たり、
すごく普通に二人で学校から帰ったり、

…普段の様子を見ている限り、
二人の間に響いてるのは、
"恋の効果音"というより
"大騒ぎのテーマ(笑)"にしか
感じられないから、

きっとこの二人は本当に、
"最強のトモダチ"なんだな、って
思うようになった。

こうやって、1年8組の1年間は、

"最強のトモダチ"の二人と、
"親友"の私とカオリ、
そして、
二人にとって"最強の助っ人綾"

…という絶妙なトライアングルで過ぎた。

その三角形は、
居心地よくて、壊したくなくて。

中学生にとって、
"その先"なんて果てしなく長い。
想像したって1年後のクラス替え、
せいぜい高校進学くらいまでで精一杯。

どんどん一人一人に
違う選択肢が準備されていくことなんて
考えもしない。

"私たち、変わらないよね!"
そんな言葉が永遠の約束だと
信じられるほど、子供で。

だから私も
ずーっとこうしていられたら
きっと中学校は最高の3年間になる。
もしかしたら高校も一緒かも。
そしたら一生、仲良しでいられるかも。

そうやって、思ってた。

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