第3章 ~痛い、恋 ~ (烏養 繋心)
『俺さ、プロポーズした日の夜、言ったよな。』
『なんて?』
『"どんな未来も受け止める"って。』
『そうだっけ?』
『言った。
…あの時は、どっちかっていったら、
ナマセックスの許可をとりたくて
言ったんだけど、』
『なにー、それー(大笑)』
『(笑)
でも今はホントにそう思ってっから。
綾姉と生きてく上でのことは、
どんなことでも一緒に受け止める。』
『…繋心…』
『きっと、俺ら、
これからいっぱいケンカするだろ?
俺は慣れないことばっかりだし、
綾姉は心配事が増えるし。』
『…だろうね。』
『だけど、綾姉も今まで通り、
俺にちゃんとぶつかってくれよな。
バレーと一緒で、』
『諦めたら終わり?』
『そう。それと…』
一番伝えたいのは、この言葉。
『子供がいてもいなくても、
俺の嫁さんは綾姉しかいねぇから。
何があっても、上向いていくぞ。』
俺の親父もおふくろも、
綾の親父さんもおふくろさんも、
綾も、山口も、
みんな、自分で決めた相手と
二人で決めた選んだ道を歩いてる。
俺は今まで他人事みたいに
傍目で見てるだけだったけど
そんな自分を変えるために
綾姉とチビスケがいてくれる、
そう思えるんだ。
『繋心…嬉しいけど、
無理しなくていいんだからね?』
『心配いらねえよ、
綾姉も知ってっだろ?
俺、自分に甘い体質だから
無理とか出来ねぇの(笑)
…な、ところでさ、
妊娠中のオススメ体位って
どんなんがあるんだ?』
『…へ?』
『チビスケにご挨拶兼ねて、
家、帰ったら、浴衣セックスしよーぜ🎵』
『我慢できないの?!』
『残念、俺、無理が出来ねぇ体質(笑)』
『無理じゃない!我慢!
安定するまで我慢してっ!』
繋いだ手をブンブン振り回し、
綾姉が俺を殴ろうとする。
『おっと。激しい動き、禁止!』
ギュッと抱き寄せて、
ふわりと抱き締めて。
『綾姉、チビスケ、…大事にするからな。』
『…なんか、プロポーズみたいになってるよ?』
『おぅ。
プロポーズは一回限定、…ってわけじゃねえだろ?』
何度でも言いたい。
大事な人だから、何度でも。
この思いを忘れないために、何度でも。