第3章 ~痛い、恋 ~ (烏養 繋心)
暗がりのなか、
夜の空気を大きく吸い込む。
決意表明。
選手宣誓。
…どっちだ?
どっちでもいいか。
言葉にしたら、
自分でもきっと
気持ちを自覚出来ると思うから、
繋いだ手を握りしめ、
もう片方の手を
綾姉の腹にあてて。
『よーし、
チーム烏養、始動だ。
俺と、綾姉と、チビスケ。
最強の3人を目指すぞ!』
『俺についてこい、って言わないの?』
『俺について…くるか?』
『(爆笑)よわっ!!
繋心らしくて笑える!』
『そうだ、わかった、
俺が、綾姉に、ついていく!(笑)』
『アハハ、それはそれで
繋心らしくて大変よろしい(笑)
わかった、あたしについてきて!』
俺らしく。
綾姉らしく。
自分の背中に背負えるものを
責任もって選び抜く。
そして、
笑いながら、
泣きながら、
ケンカしながら、
仲直りしながら、
愛しあいながら、
たまには後悔もしながら、
それでも、
諦めることなく。
いつでも上を向いて。
代わりのいないチームを。
終わることのないゲームを。
もう俺は、大丈夫。
今までの痛い思いも
ちゃんと心で繋いで、
大事な人達と一緒に
"俺の家族"を作っていく。
『ね、帰ろうか。』
『そうだな、帰ろう。』
ただいま、って言える場所。
おかえり、が待ってる場所。
俺と、綾姉と、
そしてチビスケ。
"俺達"の家に、
自分らしくいられる場所に、
帰ろう。
そして、
そこから、
ひとつづつ、
ひとつづつ、
始めていこう、
な!!