• テキストサイズ

~愛ではなく、恋~【ハイキュー‼】

第1章 ~二番目の、恋~ (及川 徹)



その日、
すべての試合が終わってから
木兎につきあってデータルームへ行った。

窓から中を覗くと
今日は、大学生っぽいヤツラや
先輩ドクターみたいな人も何人かいる。
資料を覗きこんで話し合ったり
パソコンに入力作業中だったり、と
とにかく、近寄りがたい雰囲気…


なのに、
木兎は。


梟みたいに首をグルグル動かし、
瞳をキラキラに輝かせながら。

『綾ちゃん、奥にいんのかなぁ。
な、呼んでもらおーぜっ。すんませ…』

『ちょ、待って、コタローちゃん!』

襟首をひっぱり、首を抱え込む。

『イテッ、何すんだよ、オイカワッ!』

『コタローちゃん、
少しは空気、よんで、空気をっ。
今、ノー天気に呼び出したりしたら、
それこそ綾ちゃんにとっては
いい迷惑だからっ!
また月曜でいいじゃん、
ガッつくの、ダサいよッ!』

…俺、すごく成長した気がする。
こんな気を遣えるようになったところ、
人の世話までやけるようになったのも、
岩ちゃんに見てもらいたいよ…

もし手を離したら、
今にもバーンとドアを開けて
『綾ちゃーん!』とでも
声をかけそうな木兎を引っ張って
階段へと向かうと、

ちょうどその階段の下から、
ジャージにスリッパ姿で
白衣のポケットに手を突っ込んだ彼女が
上がってきた。

『あーっ!綾ちゃん、いたっ!
ここで出会うなんて、
やっぱ俺達、運命かなっ?』

大きな木兎の声で呼ばれて
こちらを見上げる顔。

俺達の…いや、木兎の?…
姿を見つけると、
無表情だったその顔に
パッと笑顔が広がる。

あ。
木兎に心を開いた人が
みんな見せる表情だ。

『木兎君、及川君、今日はありがとう。
見に行って、本当によかった。』

『だろ、だろ?!
綾ちゃん、楽しかった?
俺、カッコよかった?
また来てくれるよな?
彼氏、いる?
俺と付き合う気になった?
あ、今日、まだ帰れねーの?
ね、もう飯、食った?
今から一緒に行かない?』

…いっぺんに、質問しすぎだよ(笑)

アハハハハ、と笑った彼女。
すっかり"クール女子"ではなくなってる。

すごく普通の…いや、違うな。

キャーキャー言われ慣れてる
俺らからしたら、

特別扱いしないでいてくれる
すごく特別な、女性

…に、見えた。




/ 733ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp