第3章 ~痛い、恋 ~ (烏養 繋心)
『…ぁぁぁぁぁっ、もう、』
『イけよ、ほら、』
腰のグラインドをとめ、
1番奥にねじ込む。
抱え込んでるから、
まさに、穴を掘るように、グサグサと。
『…んんんっっっ…』
仰け反った顎のラインと
ポワンと開いた口の緩い楕円形が
縛り付けた手に引き寄せられ、
『ケイ君も、一緒に、イってぇ…』
『…ぉ、う、俺、も…』
興奮と欲望にまかせて
ぐぃ、ぐぃ、ぐぃ、と
三回、激しく奥に叩きつけると
その3回目を待っていたかのように
綾のナカがきつく締め付けて、
『ぁ、もう、だ、めぇ…』
俺も、もぅ、我慢、できねぇよ…
ペニス全体を膣で締め付けられながら
気持ちよく、ドクドクと放出した。
やがて、グッタリと弛緩した体から
ペニスを抜き出す。
『…すっげー、出た。』
はずしたゴムから
精液が溢れないように
キュッと結びながら綾に見せると、
息を弾ませながら、甘い声で言う。
『…ケイ君の、種、』
おかしくて、笑う。
『種?…ま、そういやそうだな。』
『…欲しい。』
欲しい?
欲しい、とは?
『ダメ?』
『…それは、』
『ケイ君の子供、欲しい。』
俺もそこそこ
女と経験して…つきあって…きたから
わかる。
高校卒業して、就職して、
5年が過ぎた彼女。
そういう年頃。
…友達より早く結婚して、
子供作って、若い母親に…
そういう"夢"を見たくなる時期。
一方で、
歳と場数を重ねた分、
現実を知っている俺には
今のところそんな"夢"はなく、
だけど、今、この状況で、
夢見る彼女にそれを言うほど
野暮でもなく、
かわりに、
うまく言葉で濁せるだけの経験値が、
ある。
『まだヤれるってことか?
ふぅん、余裕、あるなぁ。
もいっちょ、可愛がらせてもらうか。』
…先のことではなく、
今に目を向けさせて。
両手を縛っていた帯を外し、
そのままバックの体勢に。
浴衣をめくりあげ、
尻をなで回しながら、
黙ってゴムをつけた。
…たくさん、持ってきてる。
ナマでする覚悟は、ない。
ヘタレ、と言われれば反論はしねぇよ。
でも、俺に言わせれば、それは
彼女を大事に思うからこその
中途半端にはしない、男の責任感。
今の『愛しい』という気持ちが
すべてを解決出来る魔法ではないことを
あいにく、俺は知っているから。