第3章 ~痛い、恋 ~ (烏養 繋心)
揃えた両脚の間に
俺の欲の塊がはげしく出入りするたび、
その下に繋がる彼女の体のあちこちが
揺れたり、捩れたり。
体がぶつかり、蜜があふれて
いろんな卑猥な音がする。
何より卑猥なのは、綾の声。
『…やん、ケイ君、…もっと、突いて…
奥まで、もっと…激しく、ぁぁっ、
…そこ、いい…ぁぁ、ゃ、もう、…』
切れ切れの声が、だんだん大きくなる。
自分を失うほど、セックスに没頭してる。
彼女の望み通り、
大きなストロークで
休むことなく奥まで打ち付けながら
意地悪な言葉を選んで、声をかけた。
『おい、声、でけぇな。
あの仲居さんが飛んで来るぞ?
今、来られたら、綾のワレメに
俺が突き刺さってるの、丸見えだなぁ。』
ちょうど正面が、出入口。
もし今、扉が開いたら、
さぞかしいやらしい光景を
バッチリ、見られてしまうだろう。
…ま、カップルで泊まってるヤツラは
ここがどんなにいい宿だったとしても
だいたいみんな、今、ラブホにいるのと
変わらないコト、してるはずだ。
仲居さんが廊下でも歩けば、
この部屋だけでなくあっちでもこっちでも
やらしい音やあえぎ声が聞こえてるはずで。
急に静かになった綾の顔を見下ろす。
唇を噛み締めて、声を飲み込みながら
呼吸だけが、熱い息になってこぼれてる。
『心配すんな、今、よがってんのは
綾だけじゃねぇから。
どのカップルも、みんなセックスの
真っ最中だろ、きっと。』
『…でも、』
噛み締めた唇の間から、
途切れ途切れ、声が聞こえる。
『どの彼氏より…ぁん…優しくて
エッチでステキなのは…ぅぁ…ケイ君。
あたし、の、彼氏、が…一番、だもん…』
なんで、だろーな。
こんなに真っ直ぐで真っ白な言葉、
もらって嬉しいはずなのに、
どうしていいか、わかんねぇ。
素直にありがとうって言えねぇ自分に
ガッカリしてしまう。
…ありがとうのかわりに、
意地悪しか、言えねぇんだ。
『エロいおっさん彼氏との温泉旅行で
縛られて興奮してる綾も
相当な淫乱だよなぁ。
AVみたいに、乱れてみせろ、ほら、』
閉じたまま担いでいた綾の脚を
左右に開いた
…よく見える。
なんのためらいもなく
俺に貫かれた、大事なところ。
激しく攻める。
登り詰めるのは、あっという間。