第3章 ~痛い、恋 ~ (烏養 繋心)
『かっわいいデザートだなぁ。』
『…食べてよ。』
『よーく揉んで、柔らかくしてからな。』
箸で、つまんだりひっぱったり。
『…ゃぁ、ん…』
『おっかしいなぁ、
全然、柔らかくならねぇ。
むしろ固くなったんじゃねぇか?』
『ケイ君、ね、お願い…』
『んー?』
キュッ、キュッ。
クニクニ。ツンツン。
箸の先で刺激しながら。
すぐ近くで視姦しながら。
じっくり、限界まで熟させて。
『ねぇ、ケイ君、
お箸じゃなくて指で触ってぇ…
そんで、見てるだけじゃなくて、
ちゃんと、ペロって、舐めてぇっ…』
おぉ、熟してきたか(笑)
まだ、ここで食べたらもったいない。
ここでガマン出来るか出来ないかが
並と極上との境目。
大人の男は、
ガマンも腕の見せどころ。
焦らす。ジリジリと。
『そんな大きな声出すと、
仲居さんが呼ばれたかと思って
また、来るぞ。見られたいか?ん?』
そりゃ、俺だって、
つまみたいし、舐めたい。
でもここでそれやっちまったら、
もう、止めらんねぇのはわかってる。
俺のメインディッシュは、
食事のあとの綾の身体だからな。
乳首の生クリームさえ、
その時までは口にしないつもり。
ギリギリまで耐えさせて、
ギリギリまで想像させて、
ギリギリまで悶えさせて、
完熟したら、
誰にも(主に、あの仲居さん 笑)
邪魔されない状況で、いただく。
最初から、全力のスパートで。
今は、その時のための
壮大な?!前戯だから。
じらしてじらして、
濡れさせて濡れさせて、
悶えて身をよじるくらい、
たっぷり、刺激を与えて。
…今までたくさん
セックスしてきてよかった。
今までたくさん、
AVやエロ本、見てきてよかった。
もし俺が若かったら
…綾が今までつきあってきた男達くらいに…
きっとこんなに我慢できなかった。
もっと最初からガッついてた。
そこそこ歳、重ねて、
そこそこ場数踏んできて、よかった。
今までの知識と経験全部で、
今夜を、艶でいっぱいに、
…忘れられない、夜にする。
…箸の先で
ギューっとつまみあげた乳首を
パッと離して、
ピン、と一度だけ弾いたら、
淫らに開いた
浴衣の襟を閉めてやる。
『え…おしまい?』
『続きは、後でだ。』
恨めしそうな彼女の顔。
それすら、かわいい。