第3章 ~痛い、恋 ~ (烏養 繋心)
…そーだ。
読者の皆さんはお分かりの通り、
ここで、期待通りの展開(笑)
『失礼します。ご飯ものとデザートです。』
仲居さん、登場。
…ほんとに、
扉の向こうで聞いてんじゃねーか?!
綾は再び襟元を隠し、
俺はあわてて自分の席に戻った。
飯と椀とデザートを置き、
空いた皿を下げ、
『のちほど、片付けとお布団、敷きにきます。』
と、仲居さんが出ていく。
ウフフ。
笑う、綾。
『ケイ君のせいで、
全然、ゆっくり食べられないまま、
もうデザートだって。』
『そうか?そりゃわりぃな。
デザート、俺の分もやるから、ゆっくり食えよ。』
果物と小さなケーキみたいなものを
俺の分まで嬉しそうに食べる綾。
…全部食べ終わった頃を見計らって、
わざと、言う。
『うまそうに食うなぁ。
見てたら、俺も、食いたくなった。』
『ええっ?食べ終わった時に言わないで!』
『まだ、あるだろ。
その生クリームの残り、つけろよ。』
『…なんか、もうさすがに
うっすら先が読めるんだけど、
一応、聞くね。どこに、つけるの?』
『乳首。』
『また?!』
『また。』
『やだ、って言ったら?』
『下着は、返さない。』
『…ほんと、確信犯だね。』
『そう。』
『断る選択肢も、ある?』
『よく言うよ。断る気、ねぇくせに。』
…もうっ。信じらんなぃ。…
あきれたように言うけれど、
声は、笑ってる。
『断らないよ、
だってケイ君のこと、大好きだもん。
ケイ君の望みなら、私、断らないの。』
素直で。
かわいくて。
はつらつとしてて。
俺のことを、信じてる。
手離したくない、
大事な大事な恋人。
先のことなんか、どうでもいい。
今を、とびきり、楽しませてくれ。
『自分で、やってみせろよ。』
ん、と頷き、
少し恥ずかしそうな顔をしたけど、
それでも戸惑うことなく襟元を掴むと
ソロリ、と開いて、
2つの胸をさらけ出す。
皿から人差し指で掬った生クリームを
右の乳首に。
そしてもう一掬いして、今度は左に。
『…おいしいと、いいけど。』
うまいに、決まってるだろ。
綾のそばに行き、
ゆっくりと体を俺に預けさせ、
俺は、
箸で、乳首をつまんで引っ張る。
『…ゃぁ…ん』
生クリームより、甘い声。