第3章 ~痛い、恋 ~ (烏養 繋心)
俺、確かに興奮してるんだけど、
それとは別に、
どこか今までになく冷静な自分もいる。
…多分、これが歳の差だ。
彼女より経験が多いはず、という自信。
リードしてやんなきゃ、という責任感。
余裕を見せたい、という変なプライド。
勢いで押し倒したけど、
ここからは俺のペースでコトを運びたい。
彼女に気づかれないように、
一回、深呼吸をした。
山の上の、藪の中。
人工的な光は、なにもない。
それなのに、
月のあかりひとつで、
彼女の裸は
さえざえと白く浮かび上がっていて、
手を伸ばしたら
通り抜けてしまいそうなほどの
透明感に思えた。
…低いエンジン音とエアコンの風の音。
斜めに傾いた助手席から
右手で胸の膨らみ、
左手で股間の茂みを隠して
黙ってこっちを見ている瞳。
狭いから、出来ることは、限られてる。
だから、ひとつひとつを、ゆっくりと。
胸を隠していた右手を握り、
上にあげさせる。
からだの右半分、ウエストから上が
まっすぐに伸びて、何もかもが見える。
黙って、舌をのばした。
広い腹の真ん中を縦長に飾る窪み。
周辺をぺろりぺろりとなめまわし、
舌を固く尖らせて、臍に突き刺す。
そのまま何度か、強くなめあげる。
『…ふ…ぁぁ、』
右手は俺につかまれてる。
左では股間を隠してる。
無抵抗なまま身をよじらせ。
吐息だけが降ってくるけど、無視。
そのままウエストに舌を滑らせ、
そこから体のラインにそって
上へ上へと舌を滑らせる。
感じそうなところは、
舌が触れるか触れないかの
ギリギリのタッチで。
感じなさそうなところは、
舌を広く使って、
イやらしい音をたてながら、ねっとりと。
胸には触れないまま
舌は上へと移動していき、
全開状態の脇の下へ到着。
手入れの行き届いたソコは
一粒のザラリ感もくもりもなく、
まるで、こうして舐められるのを
待っていたかのように磨きあげられていて。
汗のにおいどころか、
少し甘く優しい香りの気がする。
抵抗なく、舌が攻めていく。
男の毛むくじゃらなソコと
同じ場所とは思えないくらい
不思議なほどに滑らかなカーブ。
舌全体で大きく愛撫して、
そのまま肘まで、舐めあげた。
…顔を離して彼女を見る。
興奮してるのは、間違いない。
胸の頂のピンクは、
薄い色に朱を増し、
コリコリに固まっている。