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~愛ではなく、恋~【ハイキュー‼】

第3章 ~痛い、恋 ~ (烏養 繋心)



『その気持ちは、間違いなくっ、』

『恋、だろ~!!』

『はい、繋心君の久々の浮いた話題に、』

『かんぱーいっ!』

…バレた。
嶋田と滝ノ上に。
車に乗るとこ、見られてたらしい。

くーっ、これだから田舎は
隠し事が出来ねぇ、っつーか、
個人情報、駄々漏れじゃねーか!

『バーカ、お前、目撃者が
俺らでよかったと思えよ!
アヤを狙ってるようなヤツだったら、
面倒くさいことになってたぞ!』

『だいたい、俺らに
隠し事しよーってのがそもそも甘い。』

そう言われれば
そうとしか言いようがない。

『で、どーすんだ?』

『どーするって…』

『まだつきあってねぇんだろ?』

『んー、俺次第、みたいな感じだった。』

『ぉあー、いいなぁ!』

『うまいなぁ、アヤ。
迫るだけ迫って、男に決めさせるとは。』

『…そうか?俺はむしろ、
むこうから押しきってほしいけどな…』

『なんでだよ?!
言えば間違いなく成功する告白なんて
男冥利につきるだろ?
ビシッと口説いてさっさと決めろよ!』

『なーんか、罠じゃねぇのかなぁ。』

『まだそんなこと言ってんのか?
だいたい、お前に罠かけて誰が得する?』

『だよなぁ…』

『なぁ、何が不満?』

『不満じゃねぇよ。でもなぁ。』

…ヘタレみたいで
あんまり言いたくねぇ。

『なんだよ?』

『いや、』

『ああぁっっっ、煮えきらねぇなぁっ!
もう、ここにアヤ呼ぶぞ!』

『やめろ、それだけはやめろって!』

スマホを取り出す滝ノ上に
おしぼりを投げて抵抗する。

『…すぐ、飽きるんじゃねーかな。』

結構歳上で、
普通のサラリーマンじゃない。
真面目な大人を見慣れてる彼女にとって
俺の魅力は、多分、"もの珍しさ"。

『ヘタレかっ?!』
『草食系かっ?!』

…二人同時に突っ込むんじゃねぇ。
それこそ、凹むじゃねぇか。

『そんなこと、今、考えてどーする?』

『結婚する気、ねぇんだろ?』

『ない、ってか、無理だろ。』

『じゃ、いつか終わるのは当たり前だ。』

『…そーか?』

『そーだよ!だけど却って、
結婚せずに美しく終わる恋愛なんて、
人生の宝物だぞ?』

『そういう想い出、いいなぁ…』

むしろ、心配になる。

『お前ら…家庭、大丈夫か?』

『俺らのことよりお前のこと!』



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