第3章 ~痛い、恋 ~ (烏養 繋心)
それから何度も練習や試合、
たまには打ち上げなんかもあったから
話す機会はたくさんあった。
だけど、いつだってアヤは
きっちり立派なマネージャーで、
誰かを…まぁ、ぶっちゃけ、俺な…
特別扱いすることは一切なく。
バレー以外に共通点のない俺達だから
バレーの場で進展しない限り、
この先はないな、と思っていた。
それでいいだろ。
どう考えたって、
アヤが俺に惚れる理由が、ない。
ところが。
もう滝ノ上や嶋田もさすがに諦めたのか
その話題を口にしなくなった頃、
俺とアヤは
…その頃は、まだ"森島"って呼んでたな…
およそ森島には
似つかわしくないところで、
急接近することになる。
それがどこかというと、
…うーん、なんと、
あぁ、なんか、言いにくいんだけどさ、
パチスロ屋。
…読者の皆さん、わりぃけど、
ちょっと一言だけ、
業務連絡、言わせてくれ。
『おいっ、奥貫っ!
なんでまたパチスロをネタにする?!
俺になんか恨みでもあんのか?
させるならさせるでいいけどさ、
…今度は絶対、勝たせろよ!』
あ、ほんと、わりぃ。話に戻るな。…
そうなんだ。
まさか、あんな所で会うとは、
仲良くなるきっかけがあるとは、
思ってもいなかった。