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~愛ではなく、恋~【ハイキュー‼】

第3章 ~痛い、恋 ~ (烏養 繋心)




『今まで通りでいいじゃねぇか!』

確かに自分でそう言ったのに、
次の練習の時に
"今まで通り"でいられなかったのは
情けないことに、アヤではなく
俺の方で…(-_-;)

『お疲れ~!』
『ちーっす!』
練習に続々と集まってくるメンバー。

『…よぉ。』

いつもより少し遅めに着いた俺。
…忙しかったわけじゃねぇけど、
もし早く着いて二人きり、とかなったら
困ると思って…

(コラ!意識しすぎって笑ったの、誰だ?!
こっちは真剣だっつーの!)

アヤは、もう、体育館にいた。
いつものようにテキパキと準備をしながら
誰かが入ってくるたび、入り口に向かって
ひまわりのような明るい笑顔で声をかける。

『あ、烏養さん、お疲れ様で~す!
わぁ、森君、久しぶり!テスト終わった?
あぁ、内沢さん!クリーニングの件…』

いつもと何ら変わらない、
そして誰に対しても変わりない態度。

気になる。
嶋田達が言ってたことは、本当か?
本当に、アヤは俺に気があるのか?
あんなに自然な態度なのに、
本当に、俺を気にしてるのか?

…ボガッ!

『…ッデぇー…』

アップしながら
余計なことを考えていたから、
イレギュラーな方向から飛んできた
ボールを避けきれず、頭にクリーンヒット…

『烏養、ごめーん!』
『いや、ボーッとしてた俺がわりぃ。』

…我ながら情けない、本当に…
アヤに見られてたら
ホントにマヌケだ、と思い
そっと周囲を確認してみたけど

ドリンクの準備にでも行ったのか、
ちょうど体育館にいない。
ホッと胸を撫で下ろしたその時、

視線を感じてふと振り返ると

嶋田と滝ノ上がニヤニヤしながら
こっちを見てる。

…あぁっ、めんどくせぇっ!
お前らがいらんこと言うからだぞ!

ガッッ、と表情で威嚇して外に出た。

…高校生じゃあるまいし。
こーんなことでガタガタ騒ぐなっつーの。

ついでだから一服していこうと
物陰でタバコに火をつける。

…マトモな恋愛、
どのくらい、してねぇかな?
一年以上、ご無沙汰か。
30過ぎた頃くらいから、
そういう話が一気に減った気がする。

気楽に"つきあうか?!"って
言える年齢でもなくなるし、
付き合う=結婚みたいな感じが
どうも苦手で…

そうこうしてる間に、
今現在、アラフォーの入り口。

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