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~愛ではなく、恋~【ハイキュー‼】

第2章 ~コータロー君の、ハツコイ~(木兎 光太郎)



9月も後半。
まだまだ暑さも厳しいその日も、
ふくろうの森幼稚園には
元気な声が響いてます。

『センセー、おはよぉ!』
『せんせ、オハヨーゴジャイマス!』

もちろん、あの二人も、元気一杯。

『綾、オハヨー!』
『綾センセイ、おはようございます。』

駆け寄ってきた二人。
綾センセイはいつものように
光太郎君をハグしようとしました。

でも、今日の光太郎君は、何か、ヘン。
大好きな"ギュー"をしようとしません。

『あれ?光太郎君、"ギュー"は?』

『…今日の"ギュー"は、賢太郎に譲る。』

いつもと違う光太郎君に、
キョトン、としている賢太郎君。

『光太郎君、どうして?』

綾先生の質問には答えず、
賢太郎君の手を引っ張る光太郎君。

『賢太郎、オレの綾を
今日だけ貸すからさ、朝のギュー、
してもらえよ、ほら!』

光太郎君にされるがままに
遠慮がちに綾先生の膝に座る賢太郎君。

『綾、賢太郎にもギュー、してやって!』

わけがわからないまま、
賢太郎君をギューっと抱き締める
綾先生。

光太郎君に気を遣っているのか、
嬉しい顔をしていいかわからない…
という微妙な表情の賢太郎君。

『光太郎…いいの?』

『いいよ!だって賢太郎も
綾のこと、好きなんだろ?』

『え…ぅん、ダイスキ…』

『なっ!だから今日はトクベツ!
…あーぁ、賢太郎、ヘタだなぁ!
ギューっは、もっと、顔をオッパイに
グイッとくっつけなきゃ、ダメだって!』

言われるままに、
そっと顔を埋める賢太郎君。

『どう?気持ちいいだろ?』

『うん!』

賢太郎君をハグしながら
綾先生は気付きました。

光太郎君、涙目…

『…光太郎君、ね、どうしたの?』

『…だって今日、賢太郎、誕生日だから。』

え?

『いっつもオレに綾をくれるから、
今日だけは賢太郎に貸そうと思って。』

光太郎君は、

大好きな綾先生の
大好きな"ギューっ"を

大好きな賢太郎君の
誕生プレゼントにしようと思ったんです。

でも、いざそうしてみると、
やっぱりちょっと複雑なキモチに
なってしまったようで…

それで、涙目。
…いわゆるヤキモチ、ですね(笑)

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