第1章 ~二番目の、恋~ (及川 徹)
『よくわかんねーけど、
スポーツドクターのアシスタントで
近くの医大から来てるんだってさ。』
それで、ジャージに白衣、か。
『知り合い?』
『今日の昼から、な。
だからまだ知り合いたてっつーか。』
『ふーん…声、かけてみる?』
『さすがに今は、マズイだろ~!
だってひげもじゃの目の前で
ナンパするわけにもいかねぇしさ、
さっき一回、フラれたばっかだし。』
え?!
『ねぇ、コタローちゃん、
昼、知り合って、もうフラれたの?』
『軽く、だし、かる~く。
バッサリフラれたワケじゃねーから、
まだ可能性は無限大だ!
…と俺は思ってっけども!』
ニュアンスはわかるけど、
詳細は全然わからない(笑)
『とりあえず、ここから離れよ。んで、
ゆっくり、聞かせてもらおっかな。』
ひげもじゃと彼女に気付かれないように
そっとその場を離れる。
…思えばこれが、
俺が綾ちゃんに出会った
最初の時、だった。