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~愛ではなく、恋~【ハイキュー‼】

第1章 ~二番目の、恋~ (及川 徹)



『綾もオイカワも
ちょうど同じタイミングで
ひと休みしたかったんだろ?』

ひと休み。

…綾ちゃんは試験に落ちて、
俺は思うように上にあがれなくて。

『俺、
綾のこともオイカワのことも
スッゲー大事なんだけどさ、
でも、だからといって、
俺は、
一緒に立ち止まるわけにはいかねーんだ。
人の2倍、人生楽しむって決めてっから。

…綾、しんどい時、
そばにいてやれなくてごめんな。
でもあの時、綾を支えられるのは
やっぱり、俺じゃなくて
オイカワだったんだと思うんだ。

俺、立ち止まる手伝いは、出来ねぇもん。』

『…光太郎君…』

『でもさ、俺、
立ち止まる手伝いは出来ねぇけど、
また立ち上がろうと思うときには
いつでも全力で応援する。
そのために、俺が前で光れるように
頑張ってんだからさ。』

…人それぞれの、役割。

『綾も及川も、
もうたっぷり、お互い、慰めあったろ?
そろそろ本気出していいんじゃねーかな。
…目標、まだ捨ててねぇんだったら。』

何て返事していいか、わからなかった。
それは多分、綾ちゃんも同じ。

岩ちゃんは、黙って腕組みしたまま。

『綾、』

『ん?』

『俺も、お前のこと、大好きだぜ。
…仲間として、な。
いつでも引っ張るし、いつでも笑わせる。
だからもし、
綾がオイカワとつきあいたいなら
俺に遠慮せずにつきあえよ。
もう、
俺とお前が別れる心配はねぇんだからさ。
ずーっと、いつでも、そばにいる。
あかーしとか、木葉とか、
オイカワとかと同じ。大事な、仲間。』

"別れたからこそ、一生、つきあえる"

…俺が本当に木兎に勝てないのは
この、懐の深さ。


『…んで、オイカワ、』

『ん?』

『岩っちがさっき、
お前が、バレーじゃなくて女、選んでも
かまわない、って言ったじゃん。』

『…うん。』

『俺ももちろん、オイカワと綾が
付き合うって言っても反対はしねぇけど、
お前がコッチ来てくんないと
俺、チョー困るんだよね。
…影山も宮も悪くないけど、
キャーキャー言われんのはヤッパ、
オイカワとが一番、キモチイイって!』

『コタローちゃん…』



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