• テキストサイズ

~愛ではなく、恋~【ハイキュー‼】

第1章 ~二番目の、恋~ (及川 徹)



『…ね、及川君、』

『ん?』

『…あたしが心配することじゃ
ないかもしれないけど、
都合悪いときは、断ってね。』

『綾ちゃんから連絡あるとき、
不思議なくらいちょうど暇なんだよね。』

『…』

『それにほら、飯なんか、
どうせ一人だって食べるんだし。
夜が来れば眠るんだし。
そんならさ、こうやって、
誰かと一緒に食べたり寝たりする方が
楽しいじゃん?』

『…そうだけど…』

『綾ちゃんだって、
頑張ってる分、
たまにはストレス解消しないとね。
イライラは、お肌によくないよ。』

『そこまで心配してくれて(笑)』

『そうそう(笑)
…綾ちゃんの迷惑になってるなら
もちろん話は別だけど…』

ズルいとわかってる。

この状況で
…ベッドで散々昇天させた後の
甘い甘いピロートーク…
『迷惑だ、やめよう』なんて
言わないとわかってて言うんだから、
俺は、確かにズルい。

『及川君、一緒に、ちゃんと頑張ろうね。』

…わかってるってば。わかってるけど。
持って生まれた才能には、
頑張っても敵わないこともあるんだよ。
そういうヤツラが集まってるとこで
ガツガツ頑張るよりさぁ、

『…一緒に、もうちょっと、頑張りたいの?
綾ちゃん、やーらしっ。
んで、かーわいいっ。俺、頑張っちゃお♥』

『…ぁん…違う、頑張るのはソレじゃな…』

『ゴチャゴチャ言わない。』

現実的な言葉が溢れそうになる
赤くてやわらかな唇を

俺の唇で、塞ぐ。

『…ん…ふぅっ、ぁぁん…』

『模試、終わったばっかりなら
今夜はたっぷり遊んでいいよね?』

『…う、ん…』

綾ちゃんのため、と言いながら、
どう考えたって、俺のため。

ほどほどにしてるから。
ちゃんと勉強もバレーもしてるから。
つきあってるわけじゃないから。
今だけだから。
…木兎にもバレてないし。
そもそももう、木兎の彼女じゃないし。
俺たち、若いんだし。

よがり声をあげて
俺の下で震える綾ちゃんの
奥の奥まで支配する。

俺たちがどこにむかっているのか、
何か手に入れることが出来るのか、
それとも
何かを失うことになるのか、

わからない。

ただ、手放したくなくて。

…ゆっくりゆっくり、
どこかに向かってることだけは
間違いないのだけど。

/ 733ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp