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~愛ではなく、恋~【ハイキュー‼】

第1章 ~二番目の、恋~ (及川 徹)



『…オールで飲んでた?』

『いーや。
最後、木葉んちだったからさ、
気が付いたら途中で寝てた。
だから、割と元気っ。
コートで吐いたりしねーから
安心してトスあげて。(笑)』

強い、のか。
強がり、なのか。
わからない。

『俺こそ、礼を言わねーと。
ゆーべはありがとな。…綾は?』

"あの後、どうした?"と
聞かれなくてホッとする。
ウソ、つくの、しんどい。

『…うん、ちょっと泣いてた。』

『…そっか。』

唇を噛み締める木兎。

『でも、その後、切り替えてたよ。
絶対、合格する、って。』

『綾なら、きっと次こそ大丈夫。』

さすがに、
いつもの木兎ほどは、元気がない気がする。

…酷だとは思ったけど、
でもやっぱり、聞かずにいられない。

『…ね、コタローちゃん、
別れる必要、あるのかな?』

『…俺の逃げかもしんねーんだけど…
俺とつきあってなかったら
合格してたんじゃねーか、って…

俺、いっぱい、遊び、連れてった。
それを、自分が後悔してんだ。
俺とつきあう前の生活してたら、
もしかしたらちゃんと
合格してたんじゃないか、って。』

『…それは、関係、』

ない、と言い切れるか?

正解のない疑問。

正しい答え、ではなく
納得のいく答え、しかない。

『俺、近くにいたら、
多分、やっぱり我慢出来ねぇと思う。
彼女だぜ?会いたいし、抱きたいし。
でも、もし万が一、またダメだった時、
そうやって一緒に過ごした時間を
後悔すんのは、二度と、ヤだ。

…これって、俺が逃げてるのかな?』

正解がないから、みんな、悩む。

『…コタローちゃんなりの100%の応援が、
“別れて勉強に専念させてあげること”
なんだね?』

『カッコよく言えば、な。
他に納得いく答え、見つけらんなくてさ。』

自分なりの、答えを。

『…綾ちゃんは、
ちゃんとコタローちゃんの気持ち、
わかってたよ。
どっちかっつったら、俺の方が
"別れなくてもよくない?"って
思ったから聞いたんだけど。』

『他のことなら簡単には譲らねーけど、
今、自分の決めた目標に向かう、
大事な時期だもんな。

人生で、今、一番、
頑張んなくちゃいけねーだろ?』

そう。
俺達みんな、そういう時期。

『…ね、コタローちゃん、
もいっこだけ、聞かせて。』


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