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~愛ではなく、恋~【ハイキュー‼】

第1章 ~二番目の、恋~ (及川 徹)



答えられないかわりに、
動きを止める。

酸素が足りない。
血が全部、下半身に集まってて
頭がよく働かないんだけど、

『ね、綾ちゃん、きもち、いい?』

『…うん…』

『…コタローちゃんじゃなくても?』

『…うん。』

もう、いい。
理屈も、理由も、どうでもいい。
お互い、今、フリーだ。
誰と寝たって、かまわないだろ。

挿入したまま、身体をひっくり返す。

上にのっかって、
綾ちゃんを見下ろして、
いわゆるフツーの、
すごくシンプルな体勢。

やらしくもなんともない。
なのに、

ドキドキする。

セフレちゃんたちと
あんなに、悪魔みたいなセックス
しょっちゅうしてるのに。

さっきまで、
あんだけ、舐めたり突っ込んだり、
激しいこと、してたのに。

いざ、こうやって
シンプルに、となると
すごく、ドキドキする。

顔を
見るのも見られのも
恥ずかしい。

『…綾ちゃん、』

『…なぁに?』

『さっきみたいに、
俺を抱き締めてくんないかな?』

ふんわり。

細い両腕が、
ゆっくり、俺の背中にまわる。
上半身がくっついて、
汗ばんでるのにあったかい。

頬と頬を寄せて
小さな声で、言った。

『俺ね、
今、なんでだか緊張しててさ。
初めてHするみたいに…』

少し、沈黙があって。

『…あたし達、初めて、だもんね。』

うん。
そして、
最後かもしれないからさ。

『…ね、このこと、
光太郎くんには言わないでくれる?』

『もちろん。』

『勝手で…甘えてばっかりで、ごめんね。』

『いいよ、ぜんぜん。
…俺も、ひとつだけ、甘えていい?』

『なぁに?』

『今だけ、呼び捨てして、いい?』

『…うん。』

身体を起こす。
ゆっくり顔を近付けて、
もう1度、キスを。

濃厚に吸いあう唇。
離れたくなくて、
唇を離しても舌が離れない。

とまっていた腰を
また、ゆっくりと動かして。

『…綾、』

『トオル…くん、』

『トオル、でいい。』

『トオル…』

『一緒に、イこっか。』

『…うん。』

これ以上の言葉は、無理だ。
好きだと言えない以上、
もう、気持ちを表す言葉を
見つけられない。

脚を開かせて、
見下ろしながら、繰り返す動き。

もう、
止められないから、ね。
俺の下で、イクんだよ。



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