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~愛ではなく、恋~【ハイキュー‼】

第1章 ~二番目の、恋~ (及川 徹)




『たくさん?…もちろん。
1回2回じゃ、終わらないよ?
…だから、とりあえず、イっちゃお。』

止めていた指を、もう一度、動かす。
さっきのスポットにピッタリと当てて
深く、強く、ギュッ、と。

『ぁぁぁっ、キャ…ぅぅんっ…』

俺の両肩にかかった脚。
ピン、と張り詰めていた内腿が
クッタリ、力が抜ける。

ハァ、ハァ、ハァ
荒い息が聞こえるけど…

まだ、だよ。

俺は、木兎とは、違うから。
歓ばせよう、なんて思わない。
木兎じゃない男に抱かれたことを
実感させる。

…じゃないと、
別れた意味、ないだろ?
心、残しちゃ、意味、ないだろ?

別れることが木兎の優しさだとしたら、
諦めさせるのが、俺のやるべきこと。

だから、
慰めたり優しくしたり、しない。

突っ込んだままの指…
2本、挿れてた指を1本にして、

もっと、奥深くへ。

深く突き刺さる指とは別に

抜いた方の指がテラテラに濡れてて、
その指が不規則に膨らみに触れ、
なんとも不安定な刺激になる。

『…や、しびれ、る…』

『だね。ピクピクしてるの、わかる?』

『…わか、る…』

『やらしぃね。』

『…ん。あたし、やらしぃことしてる。』

顔、見えない角度でよかった。
顔が見えたら、俺、きっと、
"いい人"でいたくなる。

訊く…というか、言わせる。

『誰と?』

『…』

『誰とやらしぃこと、してんの?』

『…』

現実、見て。

『…答えなよ、綾ちゃん。今、誰に抱かれてる?』

『…おぃかわ、君。』

『そうだよ。今、綾ちゃんの
グチャグチャのココに指、突っ込んでのは、』

木兎じゃないよ。

『俺だよ。』

『…ぅん。』

『…や?』

『…や、じゃない。私が、頼んだ。』

…まだ、冷静だな。
苦しい、だろうな。
自分を忘れちゃえたらいいのにな。

早く、朝が来たら、いいのにな。

どうしてあげたら、いいんだろな。

諦めたとしても
簡単に忘れられるはずなんかなくて、
だけど、立ち止まれない。

どれくらい恋を失う経験をすれば、
痛みも全部、
受け止められるようになるくらい
強くなれるんだろう。

…果たしてそんな日がくるのかどうか、
もちろん、今の俺に
わかるはずもないけど。

だって、俺、
まだ、ちゃんと、
恋も、失恋も、したことないから。

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