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~愛ではなく、恋~【ハイキュー‼】

第1章 ~二番目の、恋~ (及川 徹)




『答えて、いいの?』

…俺から聞いといて、
答えるな、というわけにもいかない。

『答えたくない。』
と、なぜ言わないのさ、綾ちゃん…

せめてもの気持ちで
『答えなくてもいいよ。』
と言ってみたけど、

綾ちゃんは、

答えた。

『光太郎君ね、
日頃からよく、ふざけて言ってた。

"俺の人生で、女医とつきあえるなんて
2度とあり得ねぇスゲーことだから、
もう、あれもこれもさせてー"って。

…あたしまだ、女医じゃないんだよ。
まぁ、白衣とか聴診器は持ってるけど。』

うん。

『…だけどね、光太郎君、
本当にいざ、その、ええと、
…寝る?というか、そういう場面…
になったら、そんなことしよう、なんて
言ったことなかった。

今までつきあった人の中で、
白衣着ろ、って1度も言わなかったの、
光太郎君だけ。

いつも、ちゃーんと、
"私"として見てくれてね、
そういうところも大好きだった。』

赤葦君と木葉君が
"木兎らしい照れ隠し"と笑っていたのを
思い出す。

木兎の、バーカ。
あんなにチャラそうなのに
(お前がそれ言うな、とかいう
ツッコミ、ナシだよっ?!)
なんでそんなに優しくてカッコいーんだよ…

綾ちゃんが、笑う。

『わかんないよ。もしかしたら、
私がちゃんと医者になったら
するつもりだったかもしれないし。』

悔しいから、言ってやった。

『きっと、そのはず。』

アハハ。クスッ。
…二人で、笑う。

ここにいなくても
笑顔を作り出せる力のある、木兎。
もう、嫉妬する気もしない。
アイツは、スゲー。

『及川君も、ホントは興味ある?
…でも、白衣も聴診器もここにはないけど…』

おっと、それだけは、全否定させて。

『誤解だって!
俺はホントに、そういうの興味ない。
…どっちかっつったら、面倒。
だって、衣装とか関係ないじゃん、
どーせ脱がせちゃうんだから。』

プッ。
綾ちゃんが吹き出す。

『やっぱり及川君、おもしろい!』

俺も、緊張がほぐれた。

『俺は、パッケージより素材を味わいたい派。』

『(笑)お口にあうかな?』

『食べて、いい?』

うん。

コクン、と頷いてくれたから。

いただくよ。
残さず、大事に。

…骨までしゃぶる、とかって
お下品なこと、言わないようにする。

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