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~愛ではなく、恋~【ハイキュー‼】

第1章 ~二番目の、恋~ (及川 徹)



『…キス、していいかな?』

『うん。』

俺の腰に手をまわして
綾ちゃんが目をつぶる。
俺は、両手で彼女の頬をはさんで。

たった20センチくらいの距離、
スローモーションのように
ゆっくりと顔を近づけた。

綾ちゃんとの初めてのキス。

いきなりディープなんて、
絶対、もったいなくて出来ないから、
最初はホントに、触れるだけのキス。

中学の時のファーストキスだって
もうちょっとしっかりチュゥ、っと
吸い付いた(笑)気がするくらい、

軽く、軽く。

薄い唇に何度か触れると
ほんの少し、隙間が開いて、
…待ってくれてるみたいで嬉しい…
少し、ゆっくりと押し付ける。

柔らかさを味わうように、
首を反対側に傾けて
もう1度、ゆっくりと。

頬を挟んでいた両手を
背中と後頭部に回す。
抱き締めて、もう1度。

優しいキスをしながら
唇を舐めてみると、
応えるように、舌を迎え入れてくれる。

トン、と、舌がぶつかる。
しっとりと濡れた感覚がなまめかしくて

歯列に舌を這わせると
さらに応えるように、
舌が舌に触れて。

…控えめだけど、
ちゃんと大人のキス。
ゆっくり、気持ちのこもったキス。
愛されたことのある人の、キス。

息が苦しくなって一旦、離れて、
でも、またすぐに、触れたくて。
我慢できずに、唇を塞ぐ。

『…っ…っと…』

綾ちゃんの声が溢れた。

もっと、って、言ったよね?

今度は、
さっきまでとは違う、
男と女のキスを。

開いた唇から
濡れた音が聞こえるほどねっとりと。

ザラザラした感覚をこすりあわせて
内頬まで届くほどたっぷりと交わして
口の中がお互いの舌でいっぱいになって
開いたままの口角から、

『…んぁ…』

色っぽい声と滴が
したたりおちていく。

なんだ、この、
ゆっくりなのに止まらない感じ。
AVじゃなくて、
外国のちょっとエロい映画を
見てる感じ、というか…

今から、
何かすごく熱いことが始まるのが
わかる。

ヤバイ。
腰を引く。
まだキスしかしてないのに、
ギンギンに勃ってる…

ちょっとペースを取り戻さないと
俺の方が止められなくなる。

急いだら、ダメだ。

大事な人との特別な時間。
もう、
2度とはないかもしれない。

…一生、忘れないように、

ゆっくり、上りたい。

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