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~愛ではなく、恋~【ハイキュー‼】

第1章 ~二番目の、恋~ (及川 徹)




『そういうの、口にしていいのかな?』

『いいじゃん!恋が終わった時って、
女子同士でそういう話、しない?』

『…及川君、女子じゃないし。』

『だって綾ちゃん、
俺のこと、男と思ってないだろ?
なら、もういっそ、女と思っていいよ。』

グスン。ウフフ。
鼻水をすする音と、小さな笑い声。
それは多分、今の綾ちゃんの
心をそのまま、表してる。

『…じゃ、言っちゃうよ?
光太郎君には秘密にしてくれる?』

『もちろん。女の約束ね❤』

思いきりかわいい声を出して
女子っぽく返事してみたら
綾ちゃんが、笑ってくれた。

そして、
スウッ、と息を吸うと、

『よく考えたら、光太郎君、ズルい!
私が合格するまで、見届けてよ!』

うん。

『そばで応援してほしいに決まってるじゃん!
そりゃ、デートは、今までみたいに
しょっちゅうは行けないかもだけど…』

そうだね。

『ホントはちょっと私に飽きてたんじゃないの?』

それは、絶対、ナイけど。

『あと、半年くらい、セックス我慢出来ないの?』

『あ、それは木兎の味方させて。
それは無理だ。俺ら、ヤりたい盛り(笑)』

『そう?じゃ、及川君に免じて
このクレームは却下してあげよ(笑)』

『それから?』

『まだ、いいの?』

『いい、いい、カラッポになるまで。』

『じゃあ、続き!
…楽しいこと教えてくれて、
光太郎君ナシの毎日なんて
考えられないくらい好きにさせといて、
…浮かれてた私が悪いんだけど…
最後は急に
あんなにカッコよくいなくなって。
結局、ずーっと光太郎君のペース。』

うんうん。それが、木兎。

『そりゃ、私も頑張るけど…
私、光太郎君みたいに強くない。』

わかる。俺も何度もそう思った。

『一人で、頑張れるかな…』

光がないと、不安で、淋しいね。

『光太郎君、今、どんな気持ちだろ…』

きっと、木兎も淋しいよ。
綾ちゃんのこと、思い出してる。

……沈黙。

『言いたいこと、言った?』

『…もし言い終わったら、私を送る?』

『うん。ちゃんと、送るよ。』

『じゃぁ、まだ、言いたいこと、ある。』

『いいよ。全部、聞く。』

綾ちゃんは、
俺のシャツの裾を握って。
下を向いて、小さな声で。


『…ひとりに、しないで。』


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