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~愛ではなく、恋~【ハイキュー‼】

第1章 ~二番目の、恋~ (及川 徹)



『…あんたら、バカ?
コタローちゃんの仲間だとしても、
綾ちゃんのこと、遊び相手としか
思ってないなら、俺、許さないけど。』

『…すみません、そういうわけじゃなくて、』

赤葦君が素直に謝る。

『"お医者さんごっこ"って
木兎さんらしい照れ隠しだな、と…』

照れ隠し?
エロに照れ隠しも何も
あったもんじゃない。

二人のことを…綾ちゃんのことを
笑われてるようで、腹が立つ。

『わかんないね。それ以外に何が、
医者を目指す綾ちゃんを応援する理由?』

『…それは、機会があったら
木兎さんに直接、きいてください。』

バッサリと俺の問いを切り捨てられる。
何か言い返したいけど何も言えなくて、
また、外の二人に目をやる。

見たことないような笑顔で
木兎の顔を見て頷いてる綾ちゃん。

『…あれのどこが、別れ話だよ…』

俺の呟きに答えたのは、木葉君。

『ほんと。
俺も、別れ話してるところを
近くで見てたことねぇから、
どんな話術か知らねーけど、
アイツ、ホントに、別れ方うまいよな。
絶対、女の子泣かさねーもん。』

赤葦君も頷きながら続く。

『別れてから木兎さんを悪く言う人、
ほとんどいないんですよ。
…そこがあの人の弱さでもあると
俺は思うんですけど。』

『…コタローちゃんの、弱さ?』

『相手にどう思われようが
自分の気持ちを貫くことだって
たまにはあってもいいと、
俺は、思うんですけどね。』

『親に喜んでほしい子供と一緒。
相手の笑顔みて、やっと安心すんのな。』

『明るいのも、強いのも、全力なのも、
へこたれないのも、全部、あの人の場合、
周りの人を泣かせないため、なんです。』

…思い当たることがたくさんある。
むしろ、思い当たることばかり、だ。

『俺が見てたアホなコタローちゃんは、
全部、演技だったってこと?
…あ、アホとか言って、ごめん…』

『いやいや、全然!』

木葉君が、おかしそうに手を振る。

『アイツ、考えなくてやってっから。
アホは、木兎の基本な。』

『そうですね。
史上最強のドストレート単純男子です。』

…笑ってしまった。
木兎、愛されてんな。
ヒドイ言われようなのに、
二人とも、すごく優しい顔。

岩ちゃん達が
俺の悪口を言う時の顔に似てるな、と
思ったりした(笑)

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