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~愛ではなく、恋~【ハイキュー‼】

第1章 ~二番目の、恋~ (及川 徹)



その日の夜。
綾ちゃんに電話した。
木兎と綾ちゃんが話し合う前に
俺のことは伝えてしまおう、と思って。

『もしもし、綾ちゃん?』

『及川君?久しぶり。元気?』

『うん。綾ちゃんは?』

『うん、元気。…なぁに?』

『あのさ、俺、強化組に入った。』

『ホント?!おめでとう!』

『木兎はさらに一歩先、だけどね。』

『ヨントリーのこと?』

『うん。トントン決めるよなぁ。』

『そうだね…やっぱりスゴイよね。』

『でも、木兎は特別なヤツだから。
綾ちゃん、俺ら、焦らないようにしよう。
木兎を基準にしたら、大抵のヤツは
追い付けなくて当然。』

『及川君、自分に言い聞かせてるみたい(笑)』

『そうそう、自分に言ってる。』

『…それと、私にも、ね。ありがと。』

そんなつもりはないよ、と
言ったって無駄だろう。

でも、
じゃあどんな言葉ならふさわしいかも
全然、思い浮かばなくて。

『また、3人で飯食い行こうよ。』

『そだね…光太郎君の内定祝いと
及川君の強化入り祝いだから
居酒屋よりちょっと豪華なお店にする?』

『綾ちゃんの合格前祝いもだよ。』

『…半年以上、先だからなぁ。
二人のお祝い気分が抜けちゃう。
私の時は、またそのときに
私のためだけにやってよ(笑)』

『わかった。何でもご馳走する。』

……

言うべきことは言った。
だけど、あと一言。
一言だけ。

『綾ちゃん、たまには息抜きしなよ。
コタローちゃん、いつでも待ってるから。』

『…及川君も追い込みすぎないようにね。』

『ありがとう。じゃあ。』

『うん。じゃあね。』

耳から離したスマホ。
通話を切ろうと画面を見る。
…切れない。
綾ちゃんも、まだ切ってない。

無言のまま繋がった時間は
ほんの2、3秒だったのか、
それとも30秒くらいたっていたのか、

時間と空間がグラリと歪んだ気がする。

もう1度、スマホに耳をつけて。

『…綾ちゃん?』

『…及川君、』

これ以上、話しちゃいけない。
木兎は、
自分達のことは自分達で話し合うって
言ってたんだから。
俺が立ち入ることじゃない。

だけど。

『綾ちゃん、どうした?』

聞かずにいられないだろ…


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