• テキストサイズ

~愛ではなく、恋~【ハイキュー‼】

第1章 ~二番目の、恋~ (及川 徹)



『コタローちゃん、それ、
綾ちゃんにちゃんと言った?
合格するまで会うの控えようか?って。』

『…ちゃんとは、言ってない。
頑張れ、応援してる、とは言ったよ。
それからは、
こっちからは誘わないようにしてる。
LINEとかは時々、するけど。
…何て言ったらいいかわかんなくて。』

『フツーでいいじゃん。
しばらく会うの控えよう、って。』

『だってさ、』

…一瞬の、沈黙の後。

『俺は、ホントは、会いたい。』

『…コタローちゃん…』

『俺は、会いたいんだよ。
会って応援したい。
オイカワだって言ったじゃん。
彼氏だったら、抱き締めたり、
笑わせたり慰めたりしろよ、って。
俺だってそうしたいよ。
でも、1年に1度しかないチャンスに
全力で挑んでるだぜ?
一秒だって邪魔しちゃいけない、とも
思うんだよ。だから、』

…すごーく寂しそうな顔で。

『…綾から言ってくんねーかな、って思うんだ。
“しばらく会わないでおこう”って。
綾の望みなら、納得いく。
でも、俺は会いたいから、
自分からは言えねぇんだよ。』

…前のような怒りは感じなかった。
むしろ、沁みた。

みんな、苦しんでる。

自分の存在が、
相手の負担になるんじゃないか、って。

木兎は
綾ちゃんの邪魔をしちゃいけない、と。

綾ちゃんは
今の木兎の華々しさに
自分は釣り合ってないじゃないか、
我慢させてるんじゃないか、と。

お互いにそう思ってる。

光には、光の辛さが。
影には、影の苦しさが。

…俺は、両方、わかってしまう。
"ソトヅラ"という光と、
"孤独"という影の両方を持ってるから。

そうか、今、わかった。
木兎と綾ちゃんのことが
気になって仕方なかったのは、
それぞれが俺の半分づつだから、だ。

どっちのことも他人とは思えなくて
どっちのことも大好きで、
どっちのことも失いたくなくて。

この二人がうまくいけば、
俺の、自分でも扱い辛い人格も
きっとバランスよくやっていける、と
思えそうな気がするんだ。

『…コタローちゃん、
お節介かもしれないけどさ、』

言わずには、いられなかった。

『…綾ちゃんがどうしたいか、
俺、聞いてみようか?』

人の恋愛なんて
さらさら興味ないキャラのはずなのに。


/ 733ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp