第1章 束縛彼氏
「な、何これ…」
朝起きてスマホの画面を見ると、新着メールが20件近く届いていた。迷惑メールかと思っていたが、差出人は知ってる人だった。
李人さん。
《おやすみ。佐山さん。》
《佐山さん寝たの?》
《ねえ!寝るなら寝るって言って!》
《皐月明日覚悟しとけよ》
そんな感じのメールが5分おきに届いていた。
鳥肌が立った。それに覚悟しておけって何…。
いつもだったら寝起きで眠い頭も、そんなことがあって目はパッチリと冴えていた。
少し怖くなって、無意識でスマホを強く握締めすぎて手から落ちた音でハッとした。
《おはよう李人さん。昨日は返信できなくてごめんなさい(>_<)》
謝罪のメールを打ち、無意識にため息をついた。
「学校行かなきゃ…。」
私は服を着替え、あまり喉を通らない朝ごはんを食べて家を出た。