第1章 束縛彼氏
「皐月!」
「きゃあ!」
名前を呼ばれて、肩をポンと軽く叩かれる。一瞬、李人さんかと思い悲鳴を上げてしまった。しかし声からして、大学でできた友だちの青井桜子だとわかって安心した。
「どうしたの皐月?元気ないじゃん!これからお昼なんだけど一緒に食べない?どーせ今日もひとりなんでしょう?だったら一緒に食べようよ!」
「そうだね。じゃあ一緒に食べようかな!」
元気な桜子とお話ができて私も少し心が軽くなった。
桜子は出会った頃から、元気な人でムードメーカー的存在。
「いっただっきまーす!」
「いただきます。」
桜子はラーメンで私はカレーを注文した。食堂の一階には、長いテーブルー某魔法学校の食堂をイメージしてもらいたいーが3台あり、入り口から一番遠い端に丁度2席空いていた。
「えっ…?」
「ん?どうしたの?」
口に麺を運ぼうとしていた桜子の手が止まり、表情は心なしか暗かった。
すぐに何でもないよといつもの桜子に戻ったけど、気になって仕方がなくて、私はカレーを少し残してしまった。