第1章 束縛彼氏
「俺、お前のこと好きになっちゃったみたい。」
「ぇ…私もずっと李人さんのこと気になってました!」
お互いがお互いを気にしてるそんな気はしてたけど、まさか両思いだったとは…!
李人さんは同じ大学の一つ年上の先輩。初めての出会いは友達の紹介だった。頭も良くてスポーツも得意で尚且つイケメンな李人さんは、新入生の私たちの間でも有名だった。
だから、そんな李人さんとお話できるようになれて、そこからの恋人になれるなんて夢のまた夢だと思っていた。
「でも、俺ね…」
「どうしたんですか?」
少し俯いて言いにくそうな顔をする。
決意を決めた表情で口を開く。
「自分でも怖いくらい束縛しちゃうんだよ。それでも俺と付き合ってくれますか?」
「よろしくお願いします!」
束縛は、恋人の間で少なくともあることだよね。そんなことで断るわけないじゃん!
そんなこと…そんな風に思えていたのは、あの頃の私が何も知らなかったからだった。