第5章 予兆の香り
反ノ塚と青眞の家は金融系
凜々蝶の家は呉服店
御狐神の家は製薬会社
哀兎の家は家電製品
苓の家はソフトウェア
私の家は楽器関連
SSの仕事については
夏目さんは自分の力で稼ぎたいのと、お給料の質
御狐神さんは聞くこともなく凜々蝶の側で世話をしたいから
哀兎はほぼ夏目さんと同じ、本来は女の子がよかったと溢していた
苓は無回答だった
「実家次ぐのがやっぱ土台もあって良いよなー」
「私は嫌だけどね。家の人、あんまり好きじゃないし」
「僕も実家に頼るつもりはないな。特別嫌いと言うわけではないが…………」
「んー、私はSS継続かな。強さ的に自信あるし」
「俺は取り敢えず大学とか進学。苓は?」
「日和がここを出るタイミングでSSはやめるつもり」
「そっか~、みんな実家の助けには乗らないと。将来ニートになってないかな~」
「視るな!!」
冗談めかすように覗く仕草をするうさ耳に苦笑いしかこぼれない
良いなぁ、あれどこまで視れるんだろ
全員を順繰りに悪戯な笑顔で見ていく
「!」
だけど
私と凜々蝶の付近を見た瞬間に目を見開く
……何
本気でニートになってたりする?
「……って顔したらおどろくー?」
「目潰ししてやろうか……」
「性格悪っ」
「うさ耳もぎとって、やっぱり地面に埋めようか」
「だから死ぬって」
「哀兎たんこわーい」
皆から責められてうさ耳は逃げる
不意に御狐神さんも席をはずしていく
「?」
……気になる
けど
まぁ、いっか
特に追い詰めることもせず
残りのメンバーで話を楽しんだ