第4章 住人たちの帰還

「それはもちろん！！抱き付いてむぎゅってして触らせてくださいな！」

「あ、意外とましだった」

「お前はいったいどんな枠に私を認定してるんだよくそ鼬……」

「くそ鼬……！？」


ぎゃあぎゃあと始まったいつものこれは

彼女たち的にも見慣れたのだろう

ほとぼりが冷める頃を見計らって

夏目さんが話しかけてくる


「そーろそろいいかなー？時間、あんまりないんだよね～」

「あ、悪い。サイン書けば良いんだっけ？」

「私は凜々蝶にダイブだー♪」

「うわぁっ……！も、もう少し普通に抱きついてくれ……」


照れる凜々蝶に抱き付きながらいい気分でいると

不機嫌そうに卍里が見てくる


「なんだい、その目は」

「お前の願望を叶えれないからどうしようか悩んでんだよ」

「あぁ……男の子だもんね。青眞の願望叶えたら？」

「それは良いかもね～。哀兎たんの願望はちよたんが叶える、青眞たんの願望は渡狸が叶える。二人とも叶えないと貰えないってことだね」

「ここはSSとして見守るしかなさそうですね」

「そーたんじゃ哀兎たんの願いは叶えれないからね」

「羨ましい限りです」



いやまぁ

私の願いはもう半分叶ったようなもんなんだけど……

問題は

青眞にそれを要求しちゃだめだと思う

その人無意識に計算高いから

きっとかぐや姫みたいなことになる


「うーん、全然考えてなかったしな……そのまま書くつもりだったし」

「青眞、参考に今までの人がどんなのだったか聞いたら？」

「あ、そうか」


こうなったら楽なのになるように手回しするしかない

渡狸が好きって訳じゃないけど

可哀想だから