第4章 住人たちの帰還
「……つまり、みんなのサインを集めてるわけね」
顔を洗ってやっと目がしっかり覚めた私は
ソファーに倒れてる卍里君と
「はい、どうぞ」
「どうも、とでも言っておこうか」
「ありがとうございます」
「やーん、苓たんやさしー」
彼から紅茶を出されて行儀よく座っている四人に向き直る
万里君はいったいなにされたんだろ
まさか本気で殴ってないよな
チラリと見れば
やってないと首を振られた
「首裏をちょっと……」
「気絶させたの」
「気絶しちゃったの」
「それなら仕方ない」
「どの辺が仕方ないんだ!?」
いやもうほら
あるじゃないですか
軽くやったつもりなのにまさかこんなに弱くて
失神KOとか
「その勝負って、万里君から持ちかけられたの?凜々蝶に?」
「いや、正確に言えば御狐神くんにだ。不戦敗にしようものなら殴らせろというのでな。僕も自分のSSが無様を晒すのは控えたいので、こうして受けてたった」
「なーるほど。御狐神さんに何か因縁があるわけか」
「僕ら幼なじみだからねー。強くなってやる!って修行に行ってたの」
「で、始業式後に帰ってくると。馬鹿じゃね?」
「馬鹿だね」
気絶中なので言いたい放題である
私はただで書くのも癪なので
何かしてもらおうと考える
お、良いこと考えた
「じゃあ、私の好物を当てたら書いてあげよう!もっちろん!ここに用意してね」
ここ、と
机の上を指す
「ノーヒントでか!?前からいた彼ならともかく、僕らには不利じゃ…………」
「大丈夫だよ。日和の好きなものはこの部屋のどっかにあるから」
笑顔で苓が告げると
ばっ!と気絶してたはずの万里君が起きる
「よし!それならすぐにわかるぜ!!」
「渡狸ちゃんと覚えてるのー?」
「もちろ……………………」
覚えてねぇな、これ