第3章 懇親会の夜に
「おおー!すごい!夜桜だ!!」
「夜桜ではしゃぐって……子供か」
「まだ子供!後二年は子供だよ!」
「はいはい……同い年ということだけは忘れさせて」
失礼だな
妖怪の姿になると普段以上の口の悪さ
なんとかしてもらいたい
不平を叩こうかと考えたけど、まぁ、いっか
夜に出れるのはなんだか嬉しい
ダメなことやってるみたいでわくわくする
「本当に良かったの?バレたらお婆様に何か言われない?」
「お前の婆さんそろそろ定年で家空け渡さないかね。そうしたら怒られなくて済む」
「無理だな……あれはくたばらない」
「まぁ、黙ってれば、バレなきゃ問題ない」
そういうもんか
ゲームとかでも当たらなければ問題ないというし
そうかもしれない
「どうして怒られるのを覚悟で私を夜に出してくれたの?」
「気まぐれ」
「嘘」
「嘘」
「やっぱり」
「わかってんじゃん」
「はい、それじゃあ最初の質問」
「……初めての日だから」
「だよね」
SSに、彼がなった日
そう、つまり
初めて会った日
「凜々蝶と御狐神さんは正式に契約を結んだんだって。さて、どうする?」
「更新で」
「物好きだね……めんどくさいよ、私のSS」
そう言うと、背後で物音がする
でもそれは、すぐに消える
「妖怪はたくさん寄ってくるし」
「もう終わったけどね」
「子供だし」
「同い年だけどね」
「……口悪いし」
「お互い様ね」
「はぁ…………」
まぁ、いいか
この時期は、そういう時期だ
「はい、飴」
「さんきゅ。守りますよ、ご主人」
契約は何度でも