第3章 懇親会の夜に
「で?」
「懇親会の間、暇でしょ?反ノ塚の野ばらさんも行っちゃったし。残りのメンバーで何かしようと思いまして」
「具体的には」
「今から決める!」
はぁー……と
二名の馬鹿にたいしてはもったいなさすぎるほどの膨大なため息をはかれ
こいつも結構大変なんだなと思う
二名の馬鹿というのは俺のSSである哀兎と
先程ため息をついた苓がSSを担当している猫実
成績というか、行動というか……
どこで馬鹿になってしまったんだろうか
その二人を庇うように反ノ塚が出てくる
「まぁまぁ良いじゃねぇかよ。こうやってふたりが企画出してくれたんだしよ、な?」
「良いけどさ……本読んでるだけだし」
「暇と言われれば暇だな」
「ひどっ!身内じゃなきゃこの態度の差だよ」
「もっと優しくしてほしいものだね。哀兎」
「女の子に優しくしないとモテないんだぞ!」
「リア充はリア充で爆発させるけど」
どっちに転んでも嬉しくねぇ……
モテろと言ってるのかリア充になるなと言ってるのか、支離滅裂
女子の結束力ってこわ……
これの面倒見てるって……凄いなこいつ
項垂れるように壁に寄りかかる友人に
感服する
「そんじゃ、何するか決めようぜ。外に出るなら俺は野ばらに連絡いれないとだからな」
「ゲーセンとか、カラオケとか?」
「おお!それいいね!」
「学生らしいのが珍しく出た……」
「は?」
「何でもないです」
もうこのSS怖い……
ほとんど全員が賛成の色を示している中
一人、不満そうな顔色で自分の主人を見ている
誰かなんかすぐわかる
俺以外で今ここに主人は二人
その中でSSがこの場にいるのは一人
猫実
そのSS、苓
視線に気づいているのかいないのか
スルーするように話は進んでいった
その後、二人が軽く口論するように入り口で揉めていたのは
今は見て見ぬふりの方がいいのだろうな