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繰り返しずっと……【妖狐×僕SS】

第2章 歓迎


「私に用…………お礼以外で?」

「はい。苓さんを見ていたのは、少し警戒を。視線が怖かったものですから」

「あー…………おい苓……」

「……すみませんでした」

なんて抑揚のない謝罪

反省の色なんてもはや透明色だ

ところ構わず睨むのだけはやめてもらいたい

まだ日は少ないと言っても

ここに一緒に住んでる仲間なんだから

何をそんなに注意視するのか……


膨大にため息を吐き

私は目を閉じて再度開ける


「ごめんなさい。どうぞ」

「大したことでは無いのですが……いささか不自然……不思議に思ったのです」

「不思議?」


首をかしげて繰り返す

何が不思議なんだ?

SSと私の年齢が近すぎるとか?

いや、この面では青眞と哀兎も同じ条件のはず


「どうして猫実さんは先程の捜索をおやめになられたんですか?」


…………

空気が冷めた気がした

できるならこれは、言わないままでおきたかったな

自分のためにも、

他の人のためにも


残念すぎる自分の血に、二回目のため息をつく


「簡単に言うと、化け猫の性質のようなもののせいかな」

「性質?」

「化け猫は時に狼と一緒に襲う妖怪、どうしてだか、その類いの妖怪が寄り付いてくるんだよね」

「襲われやすいということですか?」

「純血の化け猫ならともかく、私は先祖返りだしね。寄ってきたはいいけど、従えることなんてさせてもらえないから」


そんなことしたら喰われる

普通に狼ならともかく

妖怪はな……


「だから、夜は極力避けてるの。仕方がないときは、苓に頼む約束」
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