第2章 歓迎
「よし!じゃあ今日はカルタにも抱きつこう!」
「どうしてそうなる!」
「ほら、私頑張ったし?」
「うん、哀兎ちゃん……頑張った。いいよ」
「わー!」
「あぁ!二人とも可愛い!!お姉さんも混ぜてー!」
楽しそうな歓迎会の会話たちを耳に残しながら
私はカルタの買ってきたターキーを食べていた
ほとんど皆食べ終わってるな……
私は時間かけないとこんな量は食べきれん
でも、甘いものは哀兎があんまり食べないから食べとこう
ケーキとかは長持ちしないしね
そうやってちまちまと料理を消費してると
隣に御狐神さんが座る
「本日はありがとうございます。凜々蝶様も大変喜んでおられました」
「そうなんだ。確かにいつもより楽しそうだね」
皆に囲まれていじられている凜々蝶は
怒りながらも嫌そうにはしておらず
楽しそうだった
「御狐神さんはどう?楽しんでる?」
「はい。これほど歓迎していただいて……身に余るほどです」
「あはは、大袈裟だな…………全員にお礼を?」
「ええ、友好を深めるためにも、少しずつですが、お話をして回っております」
「そっかそっか。皆のことを知るのには、いい機会だもんね」
そのための歓迎会だし
うんうんと納得していると
どうやら御狐神さんは私の後ろをじっと見ていた
……?
何かあったっけ?
後ろって基本的には苓しか…………
苓……
「……苓に、何か用ですか?」
理解した頃には謎の敬語が自分から発せられた
きっと彼がほとんど喋らないから、気にしていたか何かだろう
そう思っていたけど
「いえ、どちらかというと、猫実さんに用が」
どうやら少し、違うみたいだ