第2章 歓迎
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パン!
「おかえりなさーい!アンド!!」
「あやかし館へようこそー!」
「ようこそー……」
「よーこそー」
「なっ……」
勢いよく扉を私が開け放つと雪小路さんを筆頭に
日和、苓、反ノ塚と
テンションそれぞれの祝いの言葉が飛び立つ
私と青眞も後ろからぱちぱちと拍手を送った
「うふふ、驚いた?」
「なんだこれは……」
「歓迎会!雪小路さんメインでみんな準備してたんだよ」
「遅くなって……ごめんなさい」
明るく出迎える私たちに
驚きを隠せていない凜々蝶は、腕を組んでいつもの悪癖を出が……
「って言うと思ったけど、でもこれ、双熾の歓迎会でもあるんだぜ?」
「!」
「僕はただのssですから、歓迎を受けるのは烏滸がましいのでは…」
ふふ……
流石に御狐神のは断れないか
光景を見つめていると
空気が読めないにもほどがある私の主人が口を挟んでくる
「うわ、なに笑ってんの。変な妄想?」
「うっさいわ!美しい主従愛を微笑ましいなと思って見ていた人に対してなんなの!?」
「いや……いつも通り、ニーハイがとかどうとかかと思って」
「燃やすぞお前」
「ごめんなさい」
私が常日頃そんなこと考えてるわけがない
女の子は好きだけど
そういう好きじゃないし
誤解も大概にして欲しい
とにもかくにも
この支離滅裂でサプライズ盛りだくさんの歓迎会は
少し夜遅くまで続いたそうだ