第2章 歓迎
「さてまぁ、向こう側が気になるし。そろそろ出る手段を考えようか」
腰に手を当てて悩むフリ
だってこんなもの
ひとつしか手段がないから
それは単細胞でも思い付く
とっても簡単な手段
提示しようとする前に、彼女が回りにつむじ風を纏った
おお……
「……回答は私と同じかな?」
「ふん、こんなもの…………」
破って通ればいい!
「それが一番手っ取り早い手段だ」
「そうだよね。うん、そうしよう」
「あれもしかして哀兎もやる気?凜々蝶だけとかじゃなく」
「は?やるに決まってんじゃん」
「ですよねー、離れとくわ」
布はよく燃えるからね
離れたのを見計らい
目を閉じる
体が熱く、熱を帯びるのを感じる
ボォッ!
「あつっ……」
「仲間に危害を加えるつもりはないから大丈夫だよ。これで回りも明るいし、やりたい放題」
「……礼は言わんぞ」
「要らないよ。私の勝手だから」
可愛い鬼っ子も見れたし
どこぞの鼬とは違う
……けどまぁ
どこぞの鼬も、きっとこの子と同じで虚勢ばっかだから……
「早く戻って、安心させてあげないとね。お互いに」
私の呟きに
彼女は頷く
お互いに壁を睨み、構える
「悪いが切り捨てるぞ!」
「ちょーっと熱いけど、我慢してね」
キィン……
シュッボ……!
「寂しがり屋の犬が待っているからな!」