第2章 歓迎
「諸説あるけど、妖怪での成人は13歳。妖力も安定するのかな。それまでに自立を手助けするために、家同士の……えっと、家じゃなくて親ね。親同士の仲は良かったから」
なかなかめんどくさい
家と親
つまり、本当の親同士は仲が良い
仲が悪いのは、先祖返りの家柄
「お互いの親が私たちを連れてご飯に来てたの。そこで、私は会ったの。後は流れと言うか、同じ時間を辿ってるというか、そんなとこだね」
「随分と壮大な話だったな……僕は自分のルーツをそこまで気にしたことはないから」
「気にしない方がいいし、調べない方がいい。今を生きることが大切だからねー」
今を生きなければ、今は楽しめない
後の自分に楽しんでもらおうなんて……できない
「皆家にすがるのは嫌でしょ。自分の人生は自分で」
「……君は強いな。僕は結局、この間まで家に守られてた」
「ほとんどがそうだよ。ここから自立するの。あそこは、そのためにある」
「……そうか…………」
自分のことを話すのは勇気がいる
それ相応の待遇を受けてきていたのなら別
でも
皆が皆そうじゃない
「よーし、そろそろ帰ろうか」
「それでは車を寄せますので皆様はお待ちを」
「悪いなー、ミケ。アッシーに使って」
「いえいえ、それが望んだことですので」
「苓には出来ない芸当だ」
「事実でも失礼なことありがとう」
「君ら本当に仲良いのか……?」