第2章 歓迎
お店でタルトも食べ終わり、先程のように飲み物を飲んでいると
またしても凜々蝶から質問が舞う
「猫実さんはいつから彼といるんだ?」
「何だか今日は色々聞いてくれるね……私と仲良くなってくれようとしてる?」
「ち、違う!いや、ちがくなくもないが…………と、とにかく!気になっただけだ!同じ屋根の下で暮らしているのだからな……す、少し、知りたかっただけで」
照れてるなー
御狐神さんの微笑みがまるで我が子の成長を見てるみたい
凜々蝶のそういうところが好きなのかな
「隠す必要もないからそんな慌てなくて良いよ。ね、苓」
「この年でSSやってるのも珍しいしね。哀兎がいるけど」
「私たちね、言うなれば凜々蝶と反ノ塚みたいな感じ?」
知っているのなら青眞と哀兎みたいな
幼馴染みと言ってもわかりやすいかも
右手で一本、左手で一本指をたて、説明する
「先祖返りである私と苓。私は化け猫、苓は牛鬼。私たちの家は、お世辞にも仲が良いとは言えなかったの」
両手を離れさせ、距離を広める
「人への恨みから生まれる私。人への食欲から生まれる苓。ベクトルだけ違って、他は近かった。きっと、私たちのご先祖様はそれを感じて出会ったのかもしれない」
私たちが会うのは必然だった
必然だったとしても、出会い方は今の私たちだけにしかない
今のこの感情も、思い出も、能力も、時間も
それは今の私たちの持ち物だと思うから
手を近付けて、くっつける
「今の私と苓が会ったのは、私がそんなことを考え出した頃。五年くらい前かな」