第2章 歓迎
「必要なものは揃ったな。そろそろ帰ろう」
「うん、でも凛々蝶、ちょっと小腹が空いたから何か食べていこうよ」
さりげなーく、ひとつのお店を指差しながら微笑む
「あそこに美味しそうなイチゴタルトのお店があるんだよね。コーヒーとかも」
「ふむ、コーヒーか」
良かった!凛々蝶がコーヒー好きなの知ってて!
私は飲めないから美味しいかわからないけど
見た目的にコーヒー専門っぽいから平気なはず
チラリとコーヒーが飲める苓に確認
頷いてるから大丈夫
「ほら、あんまりご飯とか一緒に食べたことないからちょうどよくない?」
まぁ、私がラウンジでほとんど食べないのが悪いんだけど……
あと時間帯だな
どうしようか悩んでいる彼女に、後ろ押しが掛かった
「凛々蝶さま、猫実さんに同意します。親交を深めることは、社会勉強にもなって良いことかと思います」
「そうだぞ凛々蝶ー、交流は大切だ」
「君は父親か。ま、御狐神君がそこまで言うなら……」
本当は行きたかった癖に……素直じゃないなぁ
愚直に頑張ったほうが子供らしく可愛らしいよ
凜々蝶みたいな美人さんは可愛くもなれるのだから
彼女の手を引き、お店の中に私は連れていった