第2章 歓迎
「ケーキ?何か君らしくないな」
「え、なんで、俺とケーキ、超しっくり」
「君とカップ麺ならなんの疑問も抱かないのだが……」
まるで兄妹の如く仲の良い二人
私はそれを視界に入れつつ、頭に乗せられた袋の中身を漁っていた
五冊か……彼にしては少ない方だ
安定のラブコメ的なものは一切ない小説ばかり
こいつに流行は知らせれないのか
恋愛鈍いからな……
「さて、と。後は凛々蝶の携帯だけか?」
「そうだな……他のものは買ったし、それぐらいだ」
「では携帯ショップに向かいましょう。少し時間のかかるものですからね。早めに行っておいて損はないかと」
「あぁ、そうしよう」
移動し始めに見えた時計
そういえば、何時まで足止めすれば良いんだろ
この調子だと五時前とかには妖館に着きそうな感じだけど……
こっそりと、聞いてみよう
「野ばらさんは何時までって?」
「あー…………六時」
「無理じゃん!?何かで時間稼がないと」
「言われてもなー、ほら俺嘘付くの下手じゃん?」
「開き直るな……!」
もうこうなったらどっかの喫茶店にでも入るしかない
それか携帯の手続きが伸びてくれるのを待つしかない
よし、それでいこう
もし早めに帰ったのなら哀兎に怒られかねない
サプライズは準備が大切だから
「……はぁ、」
時間って、気にすればするほど経つの遅いよな