第2章 歓迎
「反ノ塚、私と苓も連れてっておくれ」
「なんだ、君らも買い出しか?」
「おお、凛々蝶。そうなんだよね、ちょっと本を買ったりと。そっちは?」
「僕らは日用品と、本命は携帯だな」
「じゃあ今日から携帯デビューだね」
高校に入ってから携帯持つのは多いよな
実際私もそうだし
鞄にはいってる本を見る限り、目星はつけてありそう……
携帯にあれだけ詳しく求めたことないな……
ほとんどビジュアルで決めるから
苦笑いが出そうな付箋を見なかったことにし、御狐神さんの運転で私たちは出掛けた
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『アメリカンコッカースパニエル!従順ですが甘えん坊で主人にベタベタ!』
「…………似てる」
「……すまない、僕もそう思った」
照らす席で大型テレビを見た私と凛々蝶は、同じため息を付く
御狐神さんまんまだよ、あの犬
狐じゃなくて確かに犬な気がする……
飲み物を飲みながら失礼なことを考えていると、ふと思い出したように凛々蝶が問う
「そういえば、君のSS……苓くんはどこだ?姿が見えないようだが……」
あぁ……名前、覚えてくれたんだ
バレないように笑い、答える
「本を買いに行くって言ったでしょ。だから本屋に行ってる」
「そうか。本を買いに行くというのは猫実さんの用事ではなかったんだな」
「うん。パートナーなら相手の欲しいものを理解して、それをあげなきゃ。守ってもらってばっかりじゃ、御恩と奉公が成り立たないからね」
「別にご恩なんてなくても良いけど」
「いたっ」
ゴンッと、中々に重みのあるものが頭に乗せられ、話していた人物のおかえりを告げる
「わりーわりー、待った?」
ついでに、反ノ塚も