第3章 怪盗2幕目『姉さんは人気者』
その日の夜…小雨が降る中、俺と姉さんはとある富豪の屋敷に来ていた。きつねの情報によると、ここに前々から狙っていたベリル姫の涙があるらしい。
雨音を聴きながら廊下を歩く途中、
俺は姉さんときつねの会話を思いだしていた。
……
きつね『あないに価値があるもんをベリル王子はんの子孫に渡すためだけに盗もうとするなんて、ほんまお人好しやなぁ』
ネージュ「人助けは、私達が怪盗をしている理由のひとつでもあるもの。情報ありがとう、きつね」
きつね『あは、いつもネージュはん達にはお世話になってるからお安い御用や。ただ……くれぐれも気ぃつけてな?』
ネージュ「えぇ……?まさか誰か他にも狙ってる人がいるの?」
きつね『せや。ベリル姫の涙を狙っているのは…』
……
トラップをするすると掻い潜って進んでいくと、次の部屋からふと何者かの気配を感じて姉さんと目配せする。
姉さんに微笑んでこくりと頷いてみせると、姉さんも不敵に微笑んでスっと警棒を引き抜き一気にドアを開けた。