第6章 継続は力なり
そういうアンタも人のこと言えないじゃん。頬から血出てる…
様子を見たところ、足のケガは痛くなさそう
あの薬、早速使ったのか?
久し振り(数十ページぶり)の再会で、聞きたいことはあるけど、今はそんな余裕はないらしい
囲むように、天人がまたはびこってきた。
その数もこちらと比べれば天と地の差。
銀たちは、まだ来ないのか?
周りを見渡してみたが、その姿はなくただ天人がいるだけ
(そろそろ来るはず)
高杉は雅の肩をトンと叩いた。
「いけるか?」
「私はいつでもいける。むしろアンタの方が心配」
目も合わせず、無愛想な口振り。相変わらずだなてめェも
その様子を見て、高杉は何故か心の中でホッとしていた。
さっきは、何かの間違いだと。
あの笑ってるような横顔は…不敵な笑みはきっと見間違いだ。そう信じた…
大勢の天人が一斉に向かってきて、それに対し2人はアイコンタクトも取らず、そのまま応戦した。
お互いにもう心配や懸念の言葉などいらない。
言葉にしなくたって、ちゃんと分かるからだ。
お互いが
ズシャア! ガァン!
数が有利な天人らは、たった2人如きの精鋭に手も足も出なかった。
とは言え、高杉は馬薫との戦い 雅もずっと1人で天人と対峙。
その分の疲労により、段々と動きのキレがなくなってきた
それぞれ、お互いの後ろに死角を狙う敵がいるのに気付いた。
『!』
ズサァン!
2人は素早く、
高杉は雅の後ろ、雅は高杉の後ろと敵を斬り倒した。
そのまま背中合わせになった。
「ハァ…ハァ…」
「ハァ……ハァ」
お互いに息切れが聞こえる。
「おい…さっきの威勢はどこいった?その様子だと…限界らしいな」
「寝言は寝てから言えば…私の耳が聞こえてる通りなら……アンタもバテてるけど」
2人共集中力が切れていってた。
「それに、正直私は アンタが戦に行くのを止めたかった。晋助のことだから絶対足悪化させる」
雅は全てお見通しだ
高杉も反論できなかった。事実、無茶したからだ
だめ押しのように、またさらに言い続けた。
「死ぬ気か?と言っておきながら、人のこと言えないし」
こうも一方的に言われるとモヤモヤするな…
「アンタがいなくなれば、悲しむ人もいるし」