第6章 継続は力なり
「これでいいでしょうか?」
黒子野はテーピングをし終え、試しに何歩か歩いてみた
(痛みが全くねェ)
手を借りねェと無理だったのが、普通に歩ける
体重をかけても、それほど不自然に感じない
いける…
「ありがとうよ黒子野。俺たちも行くぞ」
「はい」
高杉と黒子野は、鬼兵隊との合流地点に向かった
〈合流地点〉
ここに来るまで、何人かの雑魚の天人と対峙した
(鬼兵隊は、雅は無事か?)
あの傭兵天人に手こずったせいで、随分遅れをとった
大将が軍から離れるのは、あまりない
かと言って、あのまま全員で挑んだら、さらに甚大な被害になっていた
それを考えりゃあ、足の一本や二本軽いもんだ
高杉と黒子野は、あることに気付いた。
周りには…
・・・・・・・・・
(天人の死体しかない)
仲間らしき亡骸はあまり見当たらない
この数の天人を少数の鬼兵隊が倒したのか?
「見えてきました!」
向こうに、鬼兵隊らしき軍隊が天人と激戦を繰り広げていた。
高杉はすぐさまその戦域に入り、参戦した。
「総督!」
鬼兵隊の1人が、天人との戦いから戻ってきた高杉に気付いた。
「ご無事で!」
「状況は?」
高杉は状況確認した。
「この通り悪戦苦闘で、今のところ重傷者は出ていません」
そうか。不利な戦力差でよくここまで耐えたな
「雅はどこだ?」
「途中まで一緒でしたが、奥の方へ」
敵陣の向こうへ?!
鬼兵隊の志士たちも加勢しようとしたが、過酷な戦況についていけず、1人向こうへ…
「俺がアイツと合流する。もう少し辛抱してくれ」
「お願いします!」
高杉は真っ先に雅の元へ向かった。
地面の大量の血跡や死体は、激戦を物語っていた
(これを全部、雅が?)
すると、向こうに雅の姿が。
(無事か。アイ…)
!?
しかし、様子が変だった
ここから見えるのは、雅が
ひれ伏している天人に刀を向けている
口を動かしてる。何か言ってるのか?
そして、雅は天人にとどめを刺した。
(!! 雅…?)
高杉はその光景にぞっとした。
雅の容赦ない攻撃にではない
その横顔は、笑ってるような気がした