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君想ふ夜桜《銀魂》

第2章 何事もタイミングが肝心



「女?」

高杉だけでなく桂も驚いた。

青がかった長い黒髪に、無の表情で異様な雰囲気。

「何だ、お前か?」

銀時は元からその女を知ってるようでいた。

(コイツとやんのかよ?)

高杉は女相手は腑に落ちなかった。

松陽は高杉の不満そうな表情を見て、やれやれと微笑んだ。

「彼女もあなたと同じくらいとても強いですよ」

高杉はその女の能面のような表情を警戒して見た。

(ん?コイツ…どこかで…?)

俺はその顔に見覚えがあった
それは確か、数週間前…










(……う)

俺は気が付くと、布団で寝ていた

目を開くと、視界には天井が

(俺は確か…銀髪頭の奴とやり合って…)

目はぼやけたまま首を横に動かした

(?)

横を見たら、そばに誰かがいることに今更気が付いた

(だ…誰だ?)

ソイツは女だった

俺はゆっくり手を動かして、自分の顔に触れた

頬に違和感があると思ったら、手当されていた

(コイツ…)

女は俺の視線を感じこっちを見て、お互いに目が合った

「松陽先生。目を覚ましました」

女は襖を挟んで別の部屋に向かって呼んだ

スーッ

襖が開き、そこには俺がやりたかった吉田松陽がいた

「ご苦労様。君は戻っていいですよ。あとは私がやります」

女は一礼して、また俺の方をチラと見た
特に何も言わず、そのまま目を反らし部屋から出た


「寺子屋に道場破りなんて 聞いた事がありませんよ。でも、ケガがこれくらいで済んでよかった」

「………俺より弱い奴と試合うのはもう飽きただけだ」

そう言いながら高杉は横目で渡り廊下を歩いてる彼女を眺めてた。

それを見た松陽は察した。

「彼女のことですか?」

「!」

「あなたのケガを手当したのですよ」

ソイツは優しくすんなり部外者の俺に教えた

(さっきの奴…いや、それよりも俺は…)

「本当はアンタとやりたかった…まさかあんな奴に…」

「アナタは充分に強いですよ。あの銀時とあれだけやり合ったんですから。道場破りさん」






そうか。あの時の…

ただ者じゃなさそうなのは感じてたが
不本意だが、強いってんならやってみるか…

「お前名前は?」

そいつは表情を変えず、ただこう答えた















「雅」


これが、俺とアイツの出会いだった…

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