第2章 何事もタイミングが肝心
一礼してから試合が始まった。
その試合は、ほぼ互角だった。
「すっげえ。高杉の奴と互角なんて」
「雅がこんなに強いなんて…」
雅と付き合いが長い塾生も、そんな声を出していた。
高杉は試合の中、下唇を噛んだ。
(何だコイツ?全く動きが…)
ずっと無表情で、考えが見抜けねェ
実力は銀時ほどではないが…しかもこいつ…!
(くそっ!女に負けてたまるかっ!)
「うぉォォォ!!」
高杉は竹刀を高く掲げて攻めいった。
そして結果は…
現在
〈拠点〉
アイツを初めて見たとき思った
“何かが違ェ”
当初、雅は本を読んだり独りでいることが多かった
普通の女とは、明らかに違う気を放っていた
それに、
最後に笑ったところを見たのはいつか忘れるほど…アイツはなかなか笑わねェ
あの時は先生とは普通に話し、銀時とたまに話しているのは見たがそれ以外はてんで
他の奴は、自分から距離を置いて…
「そのお菓子もらっていいか?」
ガタッ
銀時が全く別の話をしたことで、高杉の熟考は一旦幕を閉じた。
「いや、一応これ雅さんにと…」
「じゃあ俺が渡しておく」
銀時が黒子野のお菓子に手を伸ばしたら、高杉がその腕を止めた。
「おい。何便乗して盗もうとしてる?」
「何だてめー?お前もコレ欲しいのか?」
「違ェよ、てめェと一緒にするな。てか認めたな。自分が盗もうとしたこと認めたな今?」
「うるせーな、チビなのにさらに横に広がったら余計低杉になんだろ?てめぇに甘いもんなんざ必要ねェ。カルシウムでも飲んでろ」
またまた喧嘩ムードになった…
黒子野は仲裁しろうとするが、止まる気配もない。
「お前ら、たかが菓子一つで。小学生か?」
一部始終を見てた桂が登場した。
「2P目で顔向けするって言っておきながらようやく出番かよ。しかも回想が先って…影が薄い黒子野の方がメインキャラ感出てたぜ。タグに登録されてるのもお飾りなんじゃねぇか?」
「貴様のその口もお飾りにしてやろうか?」
喧嘩の火の粉が桂にも降りかかってしまい、状況は悪化した。
「ガッハッハッハッ楽しそうだなおまんら。こんな夜中でも仲良しとは」
さらに火に油。そこにあの辰馬も加わった。