第6章 継続は力なり
無理矢理後ろにやられた雅。
高杉はその前で天人と対峙した。
「何でアンタが…」
「こっちのセリフだ。てめー死ぬ気か?」
背を向け天人と剣を交えたまま言った。
あのままだったらヤバかった
そんな勘が働いた
敵を討つためなら、腕一本なくしても構やしない。
コイツはそういう奴だ
とは言え、この敵も他の奴とケタ違いだ
雅がここまでおされるとァ…
「丁度いい。貴様らのような相手でなければ、この戦争に参加したかいがない」
スポーツ漫画あるある“自分より強い敵と戦って喜ぶ”みたいなセリフだ。
「だが、わざわざ身を挺して大将が駒を守るとは、賢い者の行いではないな。身から出た錆というべきか。自ら首を渡しに来たようなものだ」
「駒だと…?」
高杉は挑発に乗らないよう、フッと笑った。
「コイツはやらせねェよ」
そして、高杉と天人の激しい戦いが始まった。
(待て!アンタは…)
雅も加勢に行こうとするが、仲間に止められた。
「お前らは、他の仲間の援護をしろ。ここは俺がやる」
総督は鬼兵隊に指示を出した。
「しかし…!」
「お前らの敵う相手じゃねー」
「…了解しました!雅さんも!」
「……ッ」
志士たちがその場を離れ、高杉は天人と激戦を繰り広げた。
「俺は生まれながらに持ったこの能力で、動きが全て見える。ここまで互角にやり合える貴様ら侍には驚かされる」
「てめーが今まで何人殺してきたかは知らねェが、随分自惚れてるらしいな」
ズバンッ!
天人が剣を振り切ると、地面や岩が真っ二つに割れていた。
高杉は天人の攻撃をさばきながら後ろを下がったら、岩壁まで追い込まれた。
斬られそうなところを反射的にしゃがみ、岩壁だけが斬られた。
そのまま低い姿勢で、死角を狙って攻撃した。
が、見切られた。
(!)
「言ったはずだ。貴様の動きは見えていると」
高杉は体勢を立て直した。
ズキッ
「……ッ」
「そんなものか侍?この俺を倒すと言っておきながら」
(コイツ…)
強ェ
「そうせざるを得なかったのかと言うべきか。仲間を…いや、あの女を逃がすために」
「!」
天人は高杉の考えてることを見透かしてるようだ。
「さっき庇ったのも護るために。
? 少し違うな…恐らく貴様はあの女が…